2008/08/30

at the end of paths taken

2007年にカウボーイ・ジャンキーズが出したオリジナルアルバム。

前作の"one soul now"から邦版が出なくなったため、いつの間にか発売されていたのだが、今年になって購入してみた。

路線は前作"one soul now"に近く、"open"の頃にあった重さはなくなった。

ただ、逆に言えば、良くも悪くもカウボーイ・ジャンキーズ節健在!で、真新しさはない。

まぁ、彼らに真新しさを求めて聴くようなリスナーはいないだろうが・・・。

"brand new world", "still lost"の流れは無駄な音をそぎ落としつつ、なおもバンドとしての一体感を演出した彼ららしい曲で、曲調も明るく、好感が持てる。

"cutting board blues"は"open"以降のカウボーイ・ジャンキーズに見られるようになった重い曲調。

"someday soon"はこれまでのカウボーイ・ジャンキーズにはなかったアカペラ調の曲で、どこか後に尾を引く。

"mountains", "my only guarantee"と最後まで一気に通して聴ける聴きやすいアルバムなので、オススメしたい。

2008/08/17

Trinity Revisited

こういうものを普通出すだろうか?

タイトルを見たとき、あの"The Trinity Session"のリメイクものか、という印象以上のものは持たなかった。

言うまでもなく、Cowboy Junkiesのメンバーたちにとっても、ファンにとっても"The Trinity Session"は特別なアルバムなのだろう。

それだけに、「なぜ、今さら」という疑問を抱かずには置けなかった。(よく読めば、"The Trinity Session"から20年が経ったからだそうだが)

では、なぜ買ったのか?DVDとCDの2枚組で3000円を切る値段で売られていたから?最近音沙汰のなかったNatalie Marchantが意外なゲストとして出演していたから?

まぁ、理由はさておき、結果から述べると、「それでも買う価値はある!」である。

Cowboy Junkies好きなあなた(果たして、日本にどれくらいいるのか分からないが)なら、録音状態の良くなった"The Trinity Session"が楽しめる。

"The Trinity Session"と比べると、Margoの声が低く、よく言えば風格が出て、悪く言えば疲れ切った印象になった。

まったり絡みつくNatalie Marchantの声はやや場違いな感じだが、これもご愛嬌だろう。(Natalie Marchantの声が嫌いな向きにはたまらなく嫌だろうが)

個人的には、Natalie Marchantが歌う"200 More Miles", ゲスト全員も含めて歌う"Walking After Midnight"が聴き応え満点。

DVDをお持ちの方はCDはほったらかしにして、ぜひDVDを見てみよう。

教会の中に場違いに並んだセットの中に浮かび上がるMargoやNatalieの姿はかなり迫力がある。

15年位前に、"Sweet Jane"のビデオクリップを見たときの印象と、このDVDの中のMargoの印象に大きな差がないのも面白い。

考えれば、20年近くもあまり大きな変遷もなく、淡々と同じような音楽をやっているバンドも珍しいかもしれないなぁ。

2008/05/04

studio

カウボーイ・ジャンキーズの初期の作品を集めたベストアルバム。

"Selected Studio Recordings 1986-1995"とあるように、RCA時代の初期のおなじみの名作が並ぶ。

ちなみに、収録されているのは、以下の14曲

1. Shining Moon
2. Misguided Angel
3. Blue Moon Revisited (A Song for Elvis)
4. Sweet Jane
5. Sun Comes Up, It's Tuesday Morning
6. 'Cause Cheap Is How I Feel
7. Powerfinger
8. Southern Rain
9. A Horse In the Country
10. This Street, That Man, This Life
11. Aniversary Song
12. Ring On The Sill
13. A Common Disaster
14. Lost My Driving Wheel

カウボーイ・ジャンキーズを聴いたことのない人でも聴けるおなじみの曲(Sweet Jane, Sun Comes Up,...)から、如何にもカウボーイ・ジャンキーズな"This Street, That Man, This Life"や"Ring On The Sill"まで、選曲は悪くない。

個人的には、ライブ版にしか入っていなかった、"Lost My Driving Wheel"のスタジオ収録版が入っているのが嬉しかった。

カウボーイ・ジャンキーズも20年を超える活動をしているんだが、スタジオ録音版は"Trinity Session"と"The Caution Horses"を超えられる作品を作れていないように思う。ベスト版というと必ずRCA時代の初期の名曲ばかりが入ってくるというのも、なんだか・・・。

2007/09/01

200 more miles

"200 more lies"はカウボーイ・ジャンキーズが1995年に出したライブアルバムで、カウボーイ・ジャンキーズの1985-1994年のライブ音源をまとめたアルバムです。

音源が総じて古いのか、"Blue Moon Revisited", "Sweet Jane", "Misguided Angel", "I'm So Longsome I Could Cry"等、"Trinity Session"からの曲や、"Sun Comes Up, It's Tuesday Morning", "Where Are You Tonight", "'Cause Cheap Is How I Feel"等、"Caution Horses"からの曲等、古い曲が多く入っているのが特徴です。

マーゴの淡々としたMCで幕を開け、ライブであるにも関わらず、クールな雰囲気を保ったまま、最後の"Walking After Midnight"まで一気に聴かせます。

カウボーイ・ジャンキーズは数多くのライブアルバムを出していますが、初期の名作を聴けるこの作品はベスト・アルバム代わりに聴いてみてもよい作品です。

2007/07/16

Whites Off Earth Now

"Whites Off Earth Now"はカウボーイ・ジャンキーズのデビュー・アルバムです。

"Shining Moon"で幕を開ける"Whites Off Earth Now"はカウボーイ・ジャンキーズの原点を感じさせるアルバムですが、粗削りで、素人っぽさの残る曲が多く、あまり商業的に成功しなかったというのもうなずけます。

"Whites Off Earth Now"では、カウボーイ・ジャンキーズ独特のベールのかかったようなリズム体の音もまだ薄く、カントリーとブルースのエッセンスたっぷりだが、平凡さが抜けません。

でも、デビュー・アルバムでこんな渋いことをやっていたなんで、やっぱりカウボーイ・ジャンキーズならではなんでしょう。

2007/05/13

One Soul Now

2004年に発表されたカウボーイ・ジャンキーズのアルバム。

2001年の"Open"から3年。

前作"Open"がかなりヘビーなサウンドだったため、しばらくHMVのカウボーイ・ジャンキーズのコーナーに足が向かず、気がついたときには、"One Soul Now"の発売から1年も経ってから購入しました。

このアルバムは邦版が出なかったのか、音楽誌各誌の書評が見当たりませんでした。

前作"Open"の実験的な音と比較して、角が取れ、丸くなった印象で、むしろ"Trinity Session"や"Caution Horses"を思い起こさせる、懐かしい音使いでした。

個人的には、久しぶりにアコースティック色が強く、大好きな作品に仕上がっています。

初期の頃のムダのない音の作り方で、心に染み入ってくるような音が印象的です。

お勧め作品です。

2007/04/28

Open

"Open"は2001年に発表された、カウボーイ・ジャンキーズの作品です。前作"Miles from Our Home"(マイルズ・フウム・アワ・ホーム)から約三年、ゲフィンからクッキング・ヴァイナルにレーベルを移して発表されたアルバムです。

食虫植物なのか、これまでとはイメージの異なったジャケットは、ゲフィン時代のポップ性への別れを決意したかのような印象を受けさせます。

一曲めの「アイ・ディド・イット・オール・フォー・ユー」から、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドをほうふつとさせる、重い雰囲気が漂います。

カウボーイ・ジャンキーズのこれまでのイメージは、モノクロームでしたが、このアルバムは黒といっても過言がなく、バンドの演奏も重厚で重いものになっています。

各音楽誌の書評はカウボーイ・ジャンキーズのこの変化を割合に良いものとして受け止めていますが、個人的には重いだけで、退屈なアルバムという印象を受け、ほとんど触手が動きません。

2007/04/15

マイルズ・フロム・アワ・ホーム

前作"Lay It Down"から2年余り間隔があいてリリースされた、カウボーイ・ジャンキーズ通算7作目のオリジナルアルバム。

前作"Lay It Down"あたりから、普通のロックバンドっぽい音作りをするようになったカウボーイ・ジャンキーズですが、この作品では、ほとんど普通のロックバンド化してしまいました。

「マイルズ・フロム・アワ・ホーム」をCD屋で見つけたときには、かなり期待して、CDプレーヤーに入れたのですが、正直期待はずれでした。

「ニュー・ドーン・カミング」(New Done Coming)は、これまでのカウボーイ・ジャンキーズにはない、重厚なロックサウンドで始まります。

私自身がカウボーイ・ジャンキーズに求めているものは、そぎ落とせるだけそぎ落としたシンプルでいて、ムダのないサウンドと、ベールのようにかぶさってくるマーゴ・ティミンズのボーカルです。

そういう意味では、「マイルズ・アワ・ホーム」は全般的にはずれでした。

"Miles From Our Home"はカウボーイ・ジャンキーズのアルバムの中で、最も聴く頻度が低いアルバムのひとつですが、ラスト2曲を聴くためだけに、カウボーイ・ジャンキーズ好きにはお勧めします。

"Those Final Feet"は印象的なピアノの演奏で始まる曲で、明るい、抜けたような、音調のピアノながら、どこか哀愁を帯びたメロディーに、マーゴ・ティミンズの物憂いボーカルが見事に重なってきます。

最近のカウボーイ・ジャンキーズの曲の中では、間違いなく珠玉の一曲に数えられるでしょう。

そして、このアルバムにはオマケの1曲が・・・。

4分近くある、このオマケの曲は、初期のカウボーイ・ジャンキーズをほうふつとさせる、隠れた一品です。

どこまでも物憂い雰囲気のマーゴ・ティミンズのボーカルに、さらにディストーションをかけられており、ざらついた、灰色の雰囲気を強調しています。

最後2曲を聴くためだけにも、このやや愚作にあたる"Miles From Our Home"を聴いてみる価値がありますよ。

2007/04/08

Lay It Down 2

しばらくサボってしまいました・・・。

後半はAngle Mine, Bea's Song (River Song Triology: part II)と明るい調子の心地良い曲が続きます。

Bea's Songはベースのリズムが心地良く、春の河原を思い起こさせるような曲で、"Lay It Down"の中では隠れた名曲です。

Musical Keyは一転して、ブルーな雰囲気が漂います。

母親への想いを歌ったような歌詞からは、しわくちゃ顔の白人の婆さんの顔の優しい顔が思い浮かんできます。

森進一(最近、歌えなくなってしまいましたが・・・)の「おふくろさん」のような、重さがないのは、民族の違いなんでしょうか。

Speaking Confidentiallyはバイオリンの奏でるメロディーが印象的です。

アルバムを出すたびに普通にナッテイクカウボーイ・ジャンキーズですが、"Lay It Down"はあたりから、そこらのルーツミュージックをやっているバンドとさほど変わらない印象にになってしまいました。

個人的には、アルバムを丸々聴いて楽しむ方なので、曲によって当たり外れの多くなったこの時期以降のカウボーイ・ジャンキーズの作品には物足りなさを感じます。



08. Angel Mine09. Bea's Song (River Song Trilogy: part II)

2007/03/22

Lay It Down

 色に例えるならグレー。

 ジャンル分けをするならロックよりもブルースに限りなく近いカウボーイ・ジャンキーズの作品群の中で、少し異色の作品。

 そう、色で言えば、パステルブルーか白。

 決してノリは良くないものの、冬の小春日和のような、じんわりと温かさが伝わってくるような作品です。

 一曲目、「サムシング・モア・ビサイズ・ユー」は心地良いベースのイントロで始まります。

 後から重なってくるギターとドラムの音が高揚感をかき立たせ、一転してまた静寂が戻ってきます。

 二曲目の「コモン・ディザスター」はカウボーイ・ジャンキーズらしい、ブルージーな曲です。

 ノリの良い曲なので、ライブでやってくれると盛り上がりそうです。

 カウボーイ・ジャンキーズは日本にも何回か来ているんですが、見に行こうとチケットを取ったライブがキャンセルになったり、なぜか未だに生ライブを見ていないんですよ・・・。

 余談はさておき、アルバムタイトル曲の「レイ・イット・ダウン」、「ホールド・オン・トゥ・ミー」とミディアムテンポながら、明るい雰囲気の曲が続きます。

 後半については、次回・・・。 
 

2007/03/18

白い太陽と翳りゆく月 2

 「白い太陽と翳りゆく月」は、後半も陰影をたたえた、しっとりとした曲調が続きます。

 タイトルにもなっている"Pale Sun"(白い月)は、静かな曲です。

 ため息すら聞こえそうな、暗い曲調は、タイトルにぴったりです。

 「コールド・ティー・ブルース」は一転して、静かながらも、どこか暖かさのある曲です。

 優しいピアノがほっとした気持ちにさせてくれます。

 「ハード・トゥ・エクスプレイン」と「フロアボード・ブルース」は、どちらもブルースっぽさの強い曲です。

 このような曲調もカウボーイ・ジャンキーズっぽいといえましょう。

2007/03/13

白い太陽と翳りゆく月 1

 「白い太陽と翳りゆく月」がリリースされたのは今から13年前の1994年です。

 すでにカウボーイジャンキーズのディープなファンだった私は、このアルバムを留学先のオーストラリアで手に入れました。

 黒いジャケットに浮かび上がるオレンジ?(なんやろ、この果物・・・)の絵が印象的で、毎晩のように、聴き込んだもんです。

 前作「ブラック・アイド・マン」から続く分厚くなったロック調のサウンド。

 なんだか、すっかりフツーのバンドになってしまったようで、やや物足りなさを感じさせます。

 アップテンポなナンバーながら、どこかカウボーイ・ジャンキーズっぽさが残る「ファースト・リコレクション」は珠玉の一曲。

 つづく、「リング・オン・ザ・シル」は静かなやさしい、でもどこか物寂しい曲です。

 意味深な終わり方の歌詞が後に引けてきます。

 後半の曲の紹介は次回・・・。

2007/03/11

ブラック・アイド・マン 2

 「ブラック・アイド・マン」のカウボーイ・ジャンキーズっぽさは、むしろ後半の曲にあります。

 「トレイラー・パークの殺人」はオーストラリアのABCが放送するRAGEという音楽番組で一時期よく流れていました。

 歌詞の通り、冬の寒い朝を思い起こさせるような、透き通った「ウィンターソング」の後、ギターのイントロで静かに始まる「ラスト・スパイク」という曲が入っています。

 静かなギターの音、息遣いさえ聞こえてきそうな、そぎ落とされたベース・・・。

 「コーション・ホーシス」時代のムダのない音の完成形がそこにはあります。

 「ラスト・スパイク」は、「ブラック・アイド・マン」の中では、一番の名曲だと個人的には思っています。

 「タウンズ・ブルース」はその名の通り、ブルース調のリズムが印象的です。

 輸入版の場合はこの後の「トゥ・リブ・イズ・トゥ・フライ」で終わります。

 この曲もオリジナルはカウボーイ・ジャンキーズではありません。

 カバー曲なんですが、静かな雰囲気はカウボーイ・ジャンキーズの曲としてぴったりはまっています。

 このあたりはカウボーイ・ジャンキーズの見事さです。

 

ブラック・アイド・マン 1

 
 「ロックっぽくなった・・・」

 これが僕の「ブラック・アイド・マン」に対する第1印象でした。

 「ブラック・アイド・マン」カウボーイ・ジャンキーズが4作目にして初めてスタジオに入って録音したアルバムです。

 「サザン・レイン」、「オレゴン・ヒル」と「コーション・ホーシス」時代の物憂げな雰囲気を残しながらも、ギターの音が大きくなったという印象の曲で幕を開けます。

 夜霧のベールに包まれたような、「コーション・ホーシス」や、「トリニティ・セッション」とは異なり、新しいカウボーイ・ジャンキーズを目指しているような雰囲気が伺えます。

 たぶん、最初に印象に残るのは、「サザン・レイン」、「オレゴン・ヒル」、「ホース・イン・ザ・カントリー」といった、軽快な雰囲気の曲でしょうね。

 でも、何回か聴いていくうち、味が出てくる曲がカウボーイ・ジャンキーズには必ずあります。

 「街、男、そして人生」がその一曲でしょう。

 これら、軽快な曲に埋没して、独特なもの憂げさを含んだこの曲こそ、カウボーイジャンキーズっぽいと言えるでしょう。

 実際、カウボーイジャンキーズのメンバーもこの曲を気に入っているのか、ベストアルバムにも取り上げられています。

 「ブラック・アイド・マン」の後半の曲については、2に書きます。


 

2007/03/08

ザ・コーション・ホーシス3


 「サーティー・サマーズ」はさらに静かでした。

 カウボーイ・ジャンキーズという名前から、ポスト・パンクの勢いの良いバンドを創造していた自分は、コーラの缶に入った、しょうゆを飲んだような、変な感覚になりました。

 「マリナーズ・ソング」、「パウダー・フィンガー」と聴いていくうちに、だんだん買ったことを後悔しました。

 「カウボーイ・ジャンキーズってつまらんやん!」

 それでも、ついつい、聴かずにいられないアルバムであることに気づきました。

 どこまでも静かで、澄み切った月夜のような、夜のさざなみの海のような、そんな音楽なんです。

 「ザ・コーション・ホーシス」は僕にとっては、今では一番気に入っている一枚です。

 たぶん、数百回、いや、それ以上聴いたかもしれません。

 卒業前の気持ちの不安定な時期、仕事を辞めると決めた夜、オーストラリアの大学への進学を決めた日、いつもこのCDを聴いていたように思います。

 「ザ・コーション・ホーシス」は一回聴いただけでは、その良さは分かりません。

 たぶん、「退屈!」と感じられるでしょう。

 でも、5回、10回と聴いていくうちに、きっとお気に入りの一枚になるはずです。

 噛めば噛むほど、味が出る。

 麒麟のツッコミの田村がお米を噛み続けていると「味の向こう側がある」と言っていました。

 「ザ・コーション・ホーシス」はそんな一枚です。

ザ・コーション・ホーシス2

 「ザ・コーション・ホーシス」が衝撃的だったのは、ロックであり、ロックでなかったからです。

 ロックというのは、必ず気持ちを高揚させ、盛り上げてくれるサビの部分があります。

 そもそも、ポップスにも、演歌にも、サビはあり、サビの部分は気持ちが高揚してくるもんです。

 でも、カウボーイ・ジャンキーズの「ザ・コーション・ホーシス」には、それはありません。

 サビはあります。

 しかし、それはどこまでも静かなんです。

 おそらく、「ザ・コーション・ホーシス」の中で一番売れたであろう曲、「ある火曜日の朝に」。

 この曲のイントロはギターとベースと、そしてブルースハープで始まります。

 「太陽が昇る、今は火曜の朝・・・」とまるで、日常そのもののような歌詞。

 おいおい、どこで盛り上がるン?

 と思っているうちに、淡々と曲は流れていきます。

 そして、「私はベットの中に他人の脚があるのがすきなのよ」とつぶやいて、終わってしまいます。

 「・・・。」

 とにかく、この曲の印象は強烈でした。

 続く「チープ・イズ・ハウ・アイ・フィール」は一層静かに始まりました。

 サビも「なんだか、決まりが悪いから・・・」という一節だけ。

 歌うマーゴ・ティミンズの声はどこまでもくぐもっていて、でも、はっきりと歌っています。

 「バラードばっかりなんか?このアルバム?」

 次の曲を聴いて、一層?マークが強くなりました。

ザ・コーション・ホーシズ1

 ザ・コーション・ホーシス(The Caution Horses)は1990年に出された、カウボーイ・ジャンキーズの通算三枚目のアルバムです。

 僕にとっては、このアルバムとの出会いは衝撃的でした。

 当時、バンドブームの真っ只中、僕たちはいつも、インディーズのバンドや、メジャーデビューしたてのバンドのCDを持ってきては、「こんなん、知ってるか?」とお互いに変なものばかり持ってきては自慢しあっていました。

 作家として有名になってしまった辻仁成がボーカルのエコーズや、同じくボーカリストの石橋凌が俳優として有名になってしまったARB、いまだに好きな人は好きなZABADAK、マニア受けのするムーンライダース、135、PINK、SION、レピッシュ・・・。

 デビューしたてのエレファント・カシマシは宮本浩次が右翼みたいな歌詞の「星の砂」をがなりたてていましたっけ。

 当時は邦楽ばかり聴いていました。

 有頂天ばかり聴いていた友人がある日持ってきたCDは、一枚はベット・ミトラー、そして、もう一枚はカウボーイ・ジャンキーズの「トリニティ・セッション」でした。

 しっかし、今考えたら、えっらい組みあわせですよね・・・。

 卒業まであと2ヶ月、邦楽を一通り聴いて飽きた僕は、急に洋楽が欲しくなりました。

 京都の四条にあったタワーレコードに行き、バイト代をはたいて買った二枚のCDのうちのひとつがカウボーイ・ジャンキーズの「ザ・コーション・ホーシス」でした。

 ちなみに、残りの一枚はザ・スミスの「ストレンジウェイズ・ヒア・ウィ・カム」。

 これも、うなぎとスイカのような、めっちゃめちゃな取り合わせですが。

 この「ザ・コーション・ホーシス」、とにかく、これまでの音楽のイメージを一変させました。

 続きはザ・コーション・ホーシス2へ。 

2007/03/04

トリニティ・セッション (カウボーイジャンキーズの作品1)

 
 カウボーイジャンキーズの一枚というと、この作品を挙げる人が多いようです。

 それだけ、トリニティ・セッションは印象的な作品のようですね。

 トリニティ・セッションの一曲めを飾るのは、「マイニング・フォー・ゴールド」。

 もともと、ムダな音はどこまでもそぎ落とされているのがカウボーイジャンキーズの特徴ですが、「マイニング・フォー・ゴールド」に無駄な音は一切ありません。

 マーゴ・ティミンズの物憂げなボーカルだけが心に染み渡ります。

 ブルースハープのイントロが印象的な「ミス・ガイデッド・エンジェル」、「200モアマイルズ」と、どこまでも静かな曲が続きます。

 カバー曲の「泣きたいほどの寂しさだ」、「スウィート・ジェーン」も、カウボーイジャンキーズの色にすっかり染まって、とてもオリジナル曲じゃないとは思えません。

 モノクロで粒子のあらいジャケットは、このアルバムのかもし出す雰囲気とぴったりとマッチしています。

 木曜日、仕事に疲れた夜、眠る前に一度聴かれてみることをお勧めします。

2007/03/01

カウボーイジャンキーズのご紹介

 カウボーイジャンキーズ

 どこまでも透き通った、静かな音楽を奏でるカナダのグループカウボーイジャンキーズは、1985年に結成されました。

 カウボーイジャンキーズは、ニューヨーク、ロンドンを渡り歩いたマイケル・ティミンズが中心になって結成したバンドで、

 マーゴ・ティミンズ   (ボーカル)
 マイケル・ティミンズ (ギター)
 アラン・アントン    (ベース)
 ピーター・ティミンズ (ドラムス)

 という編成。

 デビュー・アルバムの"Whites Off Earth Now!"はほとんど売れず、無名でした。

 そんなカウボーイジャンキーズを一気に有名にしたのは、1989年にリリースされた「トリニティ・セッション」というアルバムです。

 ルー・リードのカバーでもあり、彼らの代表作にもなった"Sweet Jane"をはじめ、マイク一本でレコーディングされたこの静かなアルバムはビルボード最高位26位を記録しました。

 そんな彼らもアルバム10枚を超える息の長いバンドになりました。

 依然日本ではほとんど知られていないグループですが、一度耳にすると忘れられない、心に染み渡るメロディーを聞かせてくれます。

 このページでは、そんなカウボーイジャンキーズのアルバムやエピソードついて紹介していきたいと思います。

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