2007/03/22

Lay It Down

 色に例えるならグレー。

 ジャンル分けをするならロックよりもブルースに限りなく近いカウボーイ・ジャンキーズの作品群の中で、少し異色の作品。

 そう、色で言えば、パステルブルーか白。

 決してノリは良くないものの、冬の小春日和のような、じんわりと温かさが伝わってくるような作品です。

 一曲目、「サムシング・モア・ビサイズ・ユー」は心地良いベースのイントロで始まります。

 後から重なってくるギターとドラムの音が高揚感をかき立たせ、一転してまた静寂が戻ってきます。

 二曲目の「コモン・ディザスター」はカウボーイ・ジャンキーズらしい、ブルージーな曲です。

 ノリの良い曲なので、ライブでやってくれると盛り上がりそうです。

 カウボーイ・ジャンキーズは日本にも何回か来ているんですが、見に行こうとチケットを取ったライブがキャンセルになったり、なぜか未だに生ライブを見ていないんですよ・・・。

 余談はさておき、アルバムタイトル曲の「レイ・イット・ダウン」、「ホールド・オン・トゥ・ミー」とミディアムテンポながら、明るい雰囲気の曲が続きます。

 後半については、次回・・・。 
 

2007/03/18

白い太陽と翳りゆく月 2

 「白い太陽と翳りゆく月」は、後半も陰影をたたえた、しっとりとした曲調が続きます。

 タイトルにもなっている"Pale Sun"(白い月)は、静かな曲です。

 ため息すら聞こえそうな、暗い曲調は、タイトルにぴったりです。

 「コールド・ティー・ブルース」は一転して、静かながらも、どこか暖かさのある曲です。

 優しいピアノがほっとした気持ちにさせてくれます。

 「ハード・トゥ・エクスプレイン」と「フロアボード・ブルース」は、どちらもブルースっぽさの強い曲です。

 このような曲調もカウボーイ・ジャンキーズっぽいといえましょう。

2007/03/13

白い太陽と翳りゆく月 1

 「白い太陽と翳りゆく月」がリリースされたのは今から13年前の1994年です。

 すでにカウボーイジャンキーズのディープなファンだった私は、このアルバムを留学先のオーストラリアで手に入れました。

 黒いジャケットに浮かび上がるオレンジ?(なんやろ、この果物・・・)の絵が印象的で、毎晩のように、聴き込んだもんです。

 前作「ブラック・アイド・マン」から続く分厚くなったロック調のサウンド。

 なんだか、すっかりフツーのバンドになってしまったようで、やや物足りなさを感じさせます。

 アップテンポなナンバーながら、どこかカウボーイ・ジャンキーズっぽさが残る「ファースト・リコレクション」は珠玉の一曲。

 つづく、「リング・オン・ザ・シル」は静かなやさしい、でもどこか物寂しい曲です。

 意味深な終わり方の歌詞が後に引けてきます。

 後半の曲の紹介は次回・・・。

2007/03/11

ブラック・アイド・マン 2

 「ブラック・アイド・マン」のカウボーイ・ジャンキーズっぽさは、むしろ後半の曲にあります。

 「トレイラー・パークの殺人」はオーストラリアのABCが放送するRAGEという音楽番組で一時期よく流れていました。

 歌詞の通り、冬の寒い朝を思い起こさせるような、透き通った「ウィンターソング」の後、ギターのイントロで静かに始まる「ラスト・スパイク」という曲が入っています。

 静かなギターの音、息遣いさえ聞こえてきそうな、そぎ落とされたベース・・・。

 「コーション・ホーシス」時代のムダのない音の完成形がそこにはあります。

 「ラスト・スパイク」は、「ブラック・アイド・マン」の中では、一番の名曲だと個人的には思っています。

 「タウンズ・ブルース」はその名の通り、ブルース調のリズムが印象的です。

 輸入版の場合はこの後の「トゥ・リブ・イズ・トゥ・フライ」で終わります。

 この曲もオリジナルはカウボーイ・ジャンキーズではありません。

 カバー曲なんですが、静かな雰囲気はカウボーイ・ジャンキーズの曲としてぴったりはまっています。

 このあたりはカウボーイ・ジャンキーズの見事さです。

 

ブラック・アイド・マン 1

 
 「ロックっぽくなった・・・」

 これが僕の「ブラック・アイド・マン」に対する第1印象でした。

 「ブラック・アイド・マン」カウボーイ・ジャンキーズが4作目にして初めてスタジオに入って録音したアルバムです。

 「サザン・レイン」、「オレゴン・ヒル」と「コーション・ホーシス」時代の物憂げな雰囲気を残しながらも、ギターの音が大きくなったという印象の曲で幕を開けます。

 夜霧のベールに包まれたような、「コーション・ホーシス」や、「トリニティ・セッション」とは異なり、新しいカウボーイ・ジャンキーズを目指しているような雰囲気が伺えます。

 たぶん、最初に印象に残るのは、「サザン・レイン」、「オレゴン・ヒル」、「ホース・イン・ザ・カントリー」といった、軽快な雰囲気の曲でしょうね。

 でも、何回か聴いていくうち、味が出てくる曲がカウボーイ・ジャンキーズには必ずあります。

 「街、男、そして人生」がその一曲でしょう。

 これら、軽快な曲に埋没して、独特なもの憂げさを含んだこの曲こそ、カウボーイジャンキーズっぽいと言えるでしょう。

 実際、カウボーイジャンキーズのメンバーもこの曲を気に入っているのか、ベストアルバムにも取り上げられています。

 「ブラック・アイド・マン」の後半の曲については、2に書きます。


 

2007/03/08

ザ・コーション・ホーシス3


 「サーティー・サマーズ」はさらに静かでした。

 カウボーイ・ジャンキーズという名前から、ポスト・パンクの勢いの良いバンドを創造していた自分は、コーラの缶に入った、しょうゆを飲んだような、変な感覚になりました。

 「マリナーズ・ソング」、「パウダー・フィンガー」と聴いていくうちに、だんだん買ったことを後悔しました。

 「カウボーイ・ジャンキーズってつまらんやん!」

 それでも、ついつい、聴かずにいられないアルバムであることに気づきました。

 どこまでも静かで、澄み切った月夜のような、夜のさざなみの海のような、そんな音楽なんです。

 「ザ・コーション・ホーシス」は僕にとっては、今では一番気に入っている一枚です。

 たぶん、数百回、いや、それ以上聴いたかもしれません。

 卒業前の気持ちの不安定な時期、仕事を辞めると決めた夜、オーストラリアの大学への進学を決めた日、いつもこのCDを聴いていたように思います。

 「ザ・コーション・ホーシス」は一回聴いただけでは、その良さは分かりません。

 たぶん、「退屈!」と感じられるでしょう。

 でも、5回、10回と聴いていくうちに、きっとお気に入りの一枚になるはずです。

 噛めば噛むほど、味が出る。

 麒麟のツッコミの田村がお米を噛み続けていると「味の向こう側がある」と言っていました。

 「ザ・コーション・ホーシス」はそんな一枚です。

ザ・コーション・ホーシス2

 「ザ・コーション・ホーシス」が衝撃的だったのは、ロックであり、ロックでなかったからです。

 ロックというのは、必ず気持ちを高揚させ、盛り上げてくれるサビの部分があります。

 そもそも、ポップスにも、演歌にも、サビはあり、サビの部分は気持ちが高揚してくるもんです。

 でも、カウボーイ・ジャンキーズの「ザ・コーション・ホーシス」には、それはありません。

 サビはあります。

 しかし、それはどこまでも静かなんです。

 おそらく、「ザ・コーション・ホーシス」の中で一番売れたであろう曲、「ある火曜日の朝に」。

 この曲のイントロはギターとベースと、そしてブルースハープで始まります。

 「太陽が昇る、今は火曜の朝・・・」とまるで、日常そのもののような歌詞。

 おいおい、どこで盛り上がるン?

 と思っているうちに、淡々と曲は流れていきます。

 そして、「私はベットの中に他人の脚があるのがすきなのよ」とつぶやいて、終わってしまいます。

 「・・・。」

 とにかく、この曲の印象は強烈でした。

 続く「チープ・イズ・ハウ・アイ・フィール」は一層静かに始まりました。

 サビも「なんだか、決まりが悪いから・・・」という一節だけ。

 歌うマーゴ・ティミンズの声はどこまでもくぐもっていて、でも、はっきりと歌っています。

 「バラードばっかりなんか?このアルバム?」

 次の曲を聴いて、一層?マークが強くなりました。

ザ・コーション・ホーシズ1

 ザ・コーション・ホーシス(The Caution Horses)は1990年に出された、カウボーイ・ジャンキーズの通算三枚目のアルバムです。

 僕にとっては、このアルバムとの出会いは衝撃的でした。

 当時、バンドブームの真っ只中、僕たちはいつも、インディーズのバンドや、メジャーデビューしたてのバンドのCDを持ってきては、「こんなん、知ってるか?」とお互いに変なものばかり持ってきては自慢しあっていました。

 作家として有名になってしまった辻仁成がボーカルのエコーズや、同じくボーカリストの石橋凌が俳優として有名になってしまったARB、いまだに好きな人は好きなZABADAK、マニア受けのするムーンライダース、135、PINK、SION、レピッシュ・・・。

 デビューしたてのエレファント・カシマシは宮本浩次が右翼みたいな歌詞の「星の砂」をがなりたてていましたっけ。

 当時は邦楽ばかり聴いていました。

 有頂天ばかり聴いていた友人がある日持ってきたCDは、一枚はベット・ミトラー、そして、もう一枚はカウボーイ・ジャンキーズの「トリニティ・セッション」でした。

 しっかし、今考えたら、えっらい組みあわせですよね・・・。

 卒業まであと2ヶ月、邦楽を一通り聴いて飽きた僕は、急に洋楽が欲しくなりました。

 京都の四条にあったタワーレコードに行き、バイト代をはたいて買った二枚のCDのうちのひとつがカウボーイ・ジャンキーズの「ザ・コーション・ホーシス」でした。

 ちなみに、残りの一枚はザ・スミスの「ストレンジウェイズ・ヒア・ウィ・カム」。

 これも、うなぎとスイカのような、めっちゃめちゃな取り合わせですが。

 この「ザ・コーション・ホーシス」、とにかく、これまでの音楽のイメージを一変させました。

 続きはザ・コーション・ホーシス2へ。 

2007/03/04

トリニティ・セッション (カウボーイジャンキーズの作品1)

 
 カウボーイジャンキーズの一枚というと、この作品を挙げる人が多いようです。

 それだけ、トリニティ・セッションは印象的な作品のようですね。

 トリニティ・セッションの一曲めを飾るのは、「マイニング・フォー・ゴールド」。

 もともと、ムダな音はどこまでもそぎ落とされているのがカウボーイジャンキーズの特徴ですが、「マイニング・フォー・ゴールド」に無駄な音は一切ありません。

 マーゴ・ティミンズの物憂げなボーカルだけが心に染み渡ります。

 ブルースハープのイントロが印象的な「ミス・ガイデッド・エンジェル」、「200モアマイルズ」と、どこまでも静かな曲が続きます。

 カバー曲の「泣きたいほどの寂しさだ」、「スウィート・ジェーン」も、カウボーイジャンキーズの色にすっかり染まって、とてもオリジナル曲じゃないとは思えません。

 モノクロで粒子のあらいジャケットは、このアルバムのかもし出す雰囲気とぴったりとマッチしています。

 木曜日、仕事に疲れた夜、眠る前に一度聴かれてみることをお勧めします。

2007/03/01

カウボーイジャンキーズのご紹介

 カウボーイジャンキーズ

 どこまでも透き通った、静かな音楽を奏でるカナダのグループカウボーイジャンキーズは、1985年に結成されました。

 カウボーイジャンキーズは、ニューヨーク、ロンドンを渡り歩いたマイケル・ティミンズが中心になって結成したバンドで、

 マーゴ・ティミンズ   (ボーカル)
 マイケル・ティミンズ (ギター)
 アラン・アントン    (ベース)
 ピーター・ティミンズ (ドラムス)

 という編成。

 デビュー・アルバムの"Whites Off Earth Now!"はほとんど売れず、無名でした。

 そんなカウボーイジャンキーズを一気に有名にしたのは、1989年にリリースされた「トリニティ・セッション」というアルバムです。

 ルー・リードのカバーでもあり、彼らの代表作にもなった"Sweet Jane"をはじめ、マイク一本でレコーディングされたこの静かなアルバムはビルボード最高位26位を記録しました。

 そんな彼らもアルバム10枚を超える息の長いバンドになりました。

 依然日本ではほとんど知られていないグループですが、一度耳にすると忘れられない、心に染み渡るメロディーを聞かせてくれます。

 このページでは、そんなカウボーイジャンキーズのアルバムやエピソードついて紹介していきたいと思います。

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